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家計管理

自営業の夫も対象、国民年金の育児免除は10月から

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2026年10月1日から、国民年金の「育児免除制度」が始まりました。自営業やフリーランスの親は、子が1歳になるまで国民年金保険料を払わなくてよくなります。免除された月も「払った月」として年金額に数えられるため、将来の年金は減りません。

見落とされやすいのは、対象が母親だけではない点です。夫が自営業やフリーランスなら、夫の保険料も免除になります。所得制限もなく、仕事を休んでいなくても使えます。

この記事でわかることは次の3点です。

  • 父親・母親それぞれ、何か月分が免除になるか
  • 10月より前に生まれた子は対象になるか
  • 届出が要る人と、要らない人の違い

制度の内容は日本年金機構の公式ページで確認しました(最終確認日:2026-09-24)。以下、読者から出そうな疑問の順に答えていきます。

Q 誰が対象になる制度か

対象は、子を育てている国民年金の第1号被保険者です。第1号被保険者とは、20歳以上60歳未満の自営業者・農業者・学生・無職の人を指します。フリーランスもここに入ります。

日本年金機構が挙げている条件は次のとおりです。

  • 国民年金の第1号被保険者であること
  • 子の実父母または養父母であること
  • 子と同じ住所に住んでいること

所得の条件はありません。 年収が高いフリーランスでも、申請すれば免除されます。育休を取っているかどうかも問われません。子が生まれても仕事を続ける自営業の人が、そのまま使えます。

Q 会社員の夫や専業主婦の妻は

対象外です。会社員や公務員(第2号被保険者)と、その配偶者に扶養されている人(第3号被保険者)は、この制度を使えません。国民年金に任意加入している人も外れます。

第3号被保険者は、もともと自分で保険料を払っていません。このため免除する保険料がそもそもありません。会社員が育休を取ったときの保険料免除は、厚生年金の側にある別の制度です。

つまり夫婦のうち国民年金を自分で払っている人だけが対象になります。夫婦ともにフリーランスなら、2人とも免除を受けられます。

Q 何か月分が免除されるのか

父親と母親で、免除の数え方が違います。

誰が免除される期間最大の月数
実父・養父母子を育て始めた月から、1歳の誕生日の前月まで12か月
実母産前産後免除(原則4か月)に続く9か月産前産後と合わせて13か月

母親だけ数え方が違うのは、出産前後にすでに別の免除があるためです。国民年金には、出産予定日(または出産日)の月の前月から4か月分を免除する「産前産後免除」があります。多胎の場合は3か月前から6か月です。育児免除は、この産前産後免除が終わった翌月から9か月続きます。

2026年度(令和8年度)の国民年金保険料は月額17,920円です。12か月分なら21万5,040円、13か月分なら23万2,960円になります。夫婦ともにフリーランスなら、2人分で最大44万8,000円の保険料が免除される計算です。

Q 10月より前に生まれた子は対象外か

対象になります。ただし、免除されるのは2026年10月分からです。さかのぼって9月以前の保険料が免除されることはありません。

例として、2026年6月15日に子が生まれた、夫婦ともにフリーランスの家庭で考えます(架空の例です)。

  • 父親:本来は6月から翌年5月までが対象。免除されるのは2026年10月〜2027年5月の8か月分
  • 母親:産前産後免除は2026年5月〜8月の4か月。続く9か月は9月〜翌年5月。免除されるのは10月〜5月の8か月分

8か月分を令和8年度の月額で計算すると、1人14万3,360円です(2027年4月以降の月額は令和9年度の金額になるため、あくまで目安です)。

逆に、2026年10月以降に出産予定の家庭は、制度をまるごと使えます。たとえば12月生まれなら、母親は11月からの産前産後免除4か月に続けて、翌年3月から11月までの9か月が育児免除になります。

子が今年生まれた家庭は、10月から何か月残っているかを数えるのが先です。

Q 届出は必要か

人によって違います。届出が要らないのは、次の条件をすべて満たす母親です。

  • 産前産後免除の届出を済ませている
  • マイナンバーと基礎年金番号がひも付いている
  • マイナンバーの情報で、子との親子関係と同じ住所が確認できる

この条件に当てはまる母親には、日本年金機構から免除の通知書が届きます。

届出が必要なのは、それ以外の人です。

  • 実父(父親は全員届出が必要)
  • 養父母
  • 産前産後免除を届け出ていない母親

届出先は、住民登録のある市区町村の国民年金窓口です。郵送でも出せます。2026年10月からは、マイナポータルで電子申請もできます。

必要なものは、マイナンバーカードか基礎年金番号がわかる書類です。戸籍謄本や住民票は原則として添付不要とされています。ただし急いで処理してほしい場合は、添付すると確認が早くなると案内されています。

期限は「要件を満たした日以降、速やかに」です。夫がフリーランスの家庭は、夫の届出を忘れやすいので、まだなら早めに出してください。

Q 年金額は本当に減らないのか

減りません。育児免除の期間は、保険料を納めた期間として老齢基礎年金の計算に入ります。あとから追納する必要もありません。

ここが、収入が少ないときに使う通常の「全額免除」との大きな違いです。通常の全額免除では、その期間の年金額は満額の2分の1しか反映されません。

2026年度の老齢基礎年金は、満額で月70,608円(年84万7,296円)です。40年間納めて満額になる仕組みなので、1年分の納付は年金額でおよそ年2万1,182円にあたります(満額を40で割った計算)。

1年間の扱い将来の年金への反映(年額・目安)
育児免除約2万1,182円(納付と同じ)
通常の全額免除約1万591円(2分の1)

育児免除は「払わなくてよいのに、払ったことになる」珍しい制度です。 使わない理由はほぼありません。

Q すでに払った保険料はどうなるか

届出をすれば、払った分は他の月の保険料に回すか、返金されます。日本年金機構は「充当または還付」と説明しています。

1年分や2年分をまとめて前納している人は、この点を確認しておくと安心です。育児免除が終わったあと、口座振替などの納付方法が変わる場合があるとも案内されています。

子が1歳になって免除期間が終わるときは、手続きは要りません。反対に、別居などで条件を満たさなくなったときは、終了の届出が必要です。

Q 付加年金や国民健康保険はどうなるか

付加保険料(月400円)は、育児免除の期間中も別に納められます。付加年金に入っている人は、ここを止めずに続けられます。

国民健康保険料は、この制度の対象外です。育児免除はあくまで国民年金保険料の制度なので、国保の保険料はこれまでどおり払います。

浮いた保険料の使い道を決める

免除される月17,920円は、何もしなければ生活費に消えていきます。フリーランスには育休中の給付金がない分、子が1歳になるまでの家計は会社員より不安定です。

浮いた分の置き場所は、家庭の状況で変わります。

  • 仕事を減らす予定があるなら、収入が落ちる月の生活費として取っておく
  • 収入が変わらないなら、老後資金や教育費の積み立てに回す
  • 国民年金基金やiDeCoで上乗せしている人は、掛金を見直すきっかけにする

どれを優先するかは、仕事の再開時期と手元の貯金額で答えが変わります。育児と仕事の段取りで手一杯なら、家計の数字を第三者に一度並べてもらうのも手です。

10月にやること

最後に、家庭の形ごとに10月の行動をまとめます。

  • 夫がフリーランス・妻が会社員:夫が市区町村かマイナポータルで届出をする
  • 夫婦ともフリーランス:夫は届出。妻は産前産後免除を済ませていれば通知を待ち、届かなければ窓口に問い合わせる
  • 妻がフリーランス・夫が会社員:妻の産前産後免除の届出状況を確認する。未届なら両方まとめて届け出る
  • これから出産予定:出産予定日の6か月前から産前産後免除を届け出ておく

2026年に子が生まれた家庭は、10月分からの免除です。届出を後回しにすると、免除される月の保険料をいったん払い、あとで充当や還付を待つ手間が増えます。 10月の早いうちに済ませてください。

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参考情報

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。制度の適用可否は、お住まいの市区町村の国民年金窓口でご確認ください。