住宅ローン控除の書類をなくした!年末調整に間に合う再発行の手順
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住宅ローン控除の書類をなくしても、控除はなくなりません。税務署の書類は税務署へ、銀行の書類は銀行へ、それぞれ再発行を頼めば今年の年末調整に使えます。年末調整に間に合わなかった年も、確定申告で同じ控除を受けられます。
最初に確かめるのは「なくしたのはどちらの書類か」です。年末調整で住宅ローン控除を受ける人が勤務先に出す書類は、発行元が違う2種類あります。2024年以降に入居し、借入先が「調書方式」に対応している人は、銀行の書類はもともと要りません。
この記事でわかること。
- なくした書類の見分け方と、それぞれの再発行先
- 税務署への交付申請書の書き方と、窓口・郵送・e-Taxの出し方
- 年末調整に間に合わないときの2つの逃げ道
(制度の内容は国税庁の案内を実読して書いています。最終確認日:2026-09-26)
なくした住宅ローン控除の書類は2種類のどちらか
年末調整で使う書類は、税務署が出すものと銀行が出すものに分かれます。再発行の窓口がまったく違うため、ここを取り違えると時間を無駄にします。
| 書類 | 発行元 | 届く時期の目安 | 再発行の窓口 |
|---|---|---|---|
| 年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書(兼 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書) | 税務署 | 1年目の確定申告の後。書面の人は残りの年分がまとめて届く | 住所地を所轄する税務署 |
| 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 | 借入先の金融機関 | 毎年秋ごろ(銀行ごとに違う) | 借入先の金融機関 |
1つ目の書類は、上半分が「控除証明書」、下半分が「申告書」の1枚ものです。国税庁の手続き案内によると、平成24年6月以後に交付された分は証明書と申告書が兼用になっています。勤務先から「住宅ローンの申告書を出して」と言われたら、この1枚のことです。
SBIアルヒのよくある質問によると、この書類は1年目の確定申告の後に税務署から対象年数分がまとめて郵送されます。同じ回答で、金融機関では再発行できないとも案内されています。銀行に電話しても再発行してもらえない書類だと覚えておいてください。
入居1年目の人はまだどちらも手元にない
入居した翌年の1回目は、年末調整ではなく確定申告で控除を受けます。税務署の証明書兼申告書が届くのは、その確定申告の後です。1年目に必要なのは、銀行の年末残高等証明書(調書方式でない場合)や売買契約書の写しなど、確定申告に添える書類です。
税務署の控除証明書をなくしたときの再発行手順
税務署の書類は「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」を出して再交付を受けます。国税庁の手続き案内(A1-39)に載っている内容を、手順にするとこうなります。
- 国税庁のサイトから交付申請書のPDFを取る(手続き案内のページに様式と書き方がある)
- 住所・氏名・生年月日などの基本欄を書く
- 「居住開始年月日」と「確定申告で住宅借入金等特別控除を受けた年分」を書く
- 「請求事由」で、紛失による電子での再交付か、紛失による書面での再交付かを選ぶ
- 「交付申請書類の対象年分」に、必要な年分を「令和○年分から令和○年分」と書く
- 住所地を所轄する税務署に出す
居住開始年月日は、1年目の確定申告の控えや登記簿、住民票で確かめられます。確定申告で控除を受けた年分は、入居した年と同じです。たとえば2024年5月に入居して2025年2月に確定申告した人なら「令和6年分」と書きます。
対象年分の欄で間違えやすい点
国税庁の書き方の説明には「記載する年分はこの交付申請書を提出した後の年分を記載」とあります。今年の年末調整に使うなら、今年分から控除期間の最後の年分までを書いておくと、来年以降にまた申請する手間が省けます。
今年分だけを書くと、来年分の書類も手元にない状態が続きます。束ごとなくした人は、残りの年分をまとめて申請してください。
出し方は3通り
国税庁の手続き案内に書かれている出し方は次のとおりです。
- e-Tax:パソコンのe-Taxソフトで申請書を作って送る
- 窓口:税務署に持参する。開庁時間は8時30分から17時まで(土日祝は閉庁)
- 郵送:税務署に送付する。閉庁日は時間外収受箱への投函もできる
窓口では、申請書の税務署整理欄にマイナンバーカードや運転免許証などで本人確認をする欄があります。家族など代理人が窓口に行く場合は委任状が必要です。国税庁の委任状の様式には「必ず、委任者の方が自署してください」と書かれています。
手数料について、国税庁の手続き案内には記載がありません。交付までにかかる日数も案内に書かれていません。年末調整の社内締め切りから逆算し、なくしたと気づいた日に申請するのが確実です。
電子交付の人は再申請しなくて済む場合がある
1年目の確定申告で証明書を電子で受け取ると選んだ人は、毎年11月中旬頃にe-Taxのメッセージボックスに証明書が届きます。国税庁のチラシ(令和8年9月版)の案内です。
印刷した紙をなくしただけなら、まずメッセージボックスの「通知書等」に証明書が残っていないか確かめてください。勤務先が紙での提出しか受け付けない場合もあります。同じチラシでは、e-Taxの「QRコード付証明書等作成システム」で書面に出力できると案内しています。メッセージボックスで証明書が見つからない場合は、上の交付申請書で「紛失により、電子での再交付を希望」を選びます。
電子で交付を受けられる人には条件があります。申請書の注意書きによると、対象は居住開始が平成31年1月1日以降の人です。そのうえで、マイナンバーカードなどの電子証明書を使ってe-Taxで確定申告か交付申請をした人に限られます。
銀行の年末残高等証明書をなくしたときの再発行
銀行が出す年末残高等証明書は、借入先の金融機関に再発行を頼みます。税務署では再発行できません。次の3点は銀行ごとに違うため、借入先の案内で確かめてください。
- 再発行の手数料がかかるか
- ネットバンキングで取り直せるか
- 郵送に何日かかるか
2024年以降入居なら、そもそも要らない人がいる
国税庁のよくある質問によると、借入先が「調書方式」に移っている場合は、従来の年末残高証明書の添付などは必要ありません。調書方式は、金融機関が税務署に年末残高の調書を出し、国税当局から本人に残高の情報を届ける仕組みです。実際の手続きは、2024年1月以降に住宅に入居した人が対象です。
調書方式の人は、税務署から届く控除証明書に年末残高と控除見込額が印字されます。国税庁のチラシによると、金融機関は10月末日までに調書を出し、税務署は11月中旬から下旬頃に残高入りの証明書を交付します。銀行の証明書を探し回る前に、自分が調書方式かどうかを先に確かめてください。
ただし、2024年以降の入居でも、借入先がまだ調書方式に移っていなければ従来どおり銀行の年末残高等証明書が必要です。借入先が調書方式かどうかは、国税庁が公表している対応金融機関の一覧で確かめられます。
書面で証明書を受け取っている調書方式の人は、残高が印字されるのが入居2年目分だけという仕様があります。3年目以降に残高欄が空欄の人は、3年目の住宅ローン控除証明書に残高が載らない人で書き写す数字を整理しています。
年末調整に間に合わないときの2つの逃げ道
再発行が勤務先の締め切りに間に合わなくても、その年の控除は失われません。道は2つあります。
1月31日までに届けば、勤務先で計算し直してもらえる
国税庁の質疑応答事例では、年末残高等証明書が年末調整に間に合わなかった場合を扱っています。回答では、翌年1月31日までに証明書の交付を受けられたときの扱いも示しています。その証明書を給与の支払者(勤務先)に出し、年末調整の再計算を受けることもできます。
この事例は銀行の年末残高等証明書を想定したものです。税務署の証明書兼申告書が遅れた場合も同じ扱いになるかは、事例には書かれていません。勤務先がやり直しに応じてくれるかは会社の給与担当に確認してください。
確定申告なら5年以内に取り戻せる
年末調整で受けられなかった年は、確定申告で住宅ローン控除を受けられます。税金が戻る申告を還付申告といいます。国税庁のタックスアンサーによると、還付申告は確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。
2026年分で考えると、提出できるのは2027年1月1日から2031年12月31日までです。締め切りの近い2〜3月の混雑を避けて、1月中に出すこともできます。
確定申告に回すときも、書類は必要です。税務署の証明書兼申告書が届かなかった年は、申告書に添付する計算明細書などで控除額を計算します。手元にない書類が多い年は、税務署の電話相談で何を添付すればよいか確かめてから作るのが安全です。
取り戻す金額の目安
控除額の出発点は、年末残高に0.7%を掛けた金額です(2022年以降に入居した人の場合)。年末残高2,500万円なら17万5,000円、3,000万円なら21万円になります。
実際に戻る金額は、入居した年と住宅の種類で決まる上限や、その年の所得税・住民税の額で変わります。書類1枚のために十数万円の控除を1年分あきらめる理由はありません。年末調整に間に合わなくても、確定申告の準備に切り替えてください。
書類をなくさないための保管方法
税務署の証明書兼申告書は、書面を選んだ人には残りの年分がまとめて届きます。1年分ずつ使って捨てる書類ではありません。
- 届いた束はクリアファイル1つにまとめ、使った年の分だけ抜いて勤務先に出す
- 返済予定表と同じ場所に置く(調書方式で残高が空欄の年に書き写すため)
- 毎年なくす不安がある人は、次の交付申請で電子交付を選ぶ
電子交付に切り替えると、証明書はe-Taxのメッセージボックスに届きます。マイナンバーカードでログインする人は、カードの電子証明書に有効期限がある点も一緒に確かめておいてください。
年末調整の書類は、ほかにも扶養控除や保険料控除の申告書があります。書く順番と住宅ローン控除の申告書を出すタイミングは、年末調整の書類、3枚をこの順番で書くにまとめています。
よくある質問
住宅ローン控除の書類を再発行すると費用はかかる?
税務署の証明書兼申告書について、国税庁の手続き案内に手数料の記載はありません。銀行の年末残高等証明書の再発行は、手数料がかかるかどうかが銀行ごとに違います。借入先の案内を確認してください。
1枚だけなくした場合、全部の年分を申請し直す必要はある?
必要な年分だけを申請できます。交付申請書の「交付申請書類の対象年分」に、必要な年分を書きます。束ごとなくした人は、控除期間の最後の年分までまとめて書くと、来年以降に同じ申請をせずに済みます。
平日に税務署へ行けない場合は家族に頼める?
代理人が窓口で申請できます。国税庁の手続き案内では、代理人が窓口で申請するときは委任状が必要です。委任状は委任する本人が自署します。窓口に行けない人は、郵送かe-Taxで出す方法もあります。
住宅ローン控除が終わるまでの家計の見通し
書類を探すついでに返済予定表を開くと、控除が終わる年にローン残高がいくら残るかも見えます。控除が終わった翌年からは、年末調整で戻っていた十数万円がなくなります。
教育費や老後資金と合わせて、その年以降の家計が回るかを第三者と確認したい人は、無料のFP相談を使う方法もあります。
なくした書類が税務署のものなら今日中に交付申請書を取り、銀行のものなら借入先に再発行を頼んでください。2024年以降に入居した人は、その前に借入先が調書方式かどうかを国税庁の一覧で確かめます。
あわせて読みたい
参考情報
(いずれも2026-09-26に実読)
- 国税庁「A1-39 年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請手続」 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/36.htm
- 国税庁「年末調整のための住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」書き方・委任状 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/39-ki.pdf
- 国税庁 質疑応答事例「年末残高等証明書が年末調整に間に合わない場合」 https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/06/24.htm
- 国税庁「(調書方式に対応した金融機関から借入れをされた方へ)年末調整のための住宅ローン控除証明書の交付時期について」(令和8年9月) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/pdf/05.pdf
- 国税庁「住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)に関するよくある質問」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/jutaku/qa.htm
- 国税庁 タックスアンサー No.2030「還付申告」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm
- SBIアルヒ よくあるご質問「住宅借入金等特別控除申告書を紛失しました。再発行できますか。」 https://www.sbiaruhi.co.jp/faq/detail/160/
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。