12月に結婚しても配偶者控除は今年から使える
節税・税金

12月に結婚しても配偶者控除は今年から使える

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12月に入籍した人も、今年分の配偶者控除を受けられます。所得税の配偶者控除は、その年の12月31日の時点で夫婦かどうかで判定するためです。控除額は月割りにならず、12月の入籍でも1年分の38万円です(本人の合計所得が900万円以下の場合)。

ただし、配偶者の収入は結婚後の分だけでなく、その年の1年分で見ます。結婚前に勤めていた会社の給与も入るため、「結婚後は無収入だから大丈夫」とは限りません。この記事では、年末に入籍する人から届きやすい疑問を順に答えていきます。

数字はすべて2026年(令和8年)分の所得税の基準です。最終確認日:2026-10-24。

Q1 12月の入籍で今年の控除になるか

なります。国税庁は、配偶者控除の対象かどうかを「その年の12月31日の現況」で判定するとしています。12月31日までに婚姻届を出していれば、2026年分の配偶者控除の対象になり得ます。

年末に婚姻届を出しに行く夫婦

条件は「法律上の配偶者」であることです。民法では、婚姻は戸籍法にしたがって届け出ることで効力が生じると定めています。一緒に暮らし始めた日や結婚式の日ではなく、婚姻届を出した日が基準です。 内縁関係の人は対象外と、国税庁のタックスアンサーにも明記されています。

対象になるには、ほかに次の条件もそろう必要があります。

  • 夫婦が生計を一にしている(同じ家計で暮らしている)
  • 配偶者のその年の合計所得金額が62万円以下(給与だけなら年収136万円以下)
  • 配偶者が、個人事業の専従者として給与を受けていない
  • 控除を受ける本人の合計所得金額が1,000万円以下

入籍が2027年1月にずれ込むと、2026年分は対象外です。年末に婚姻届を出す予定の人は、日付が税金の年をまたぐことを覚えておいてください。

Q2 結婚前の配偶者の給与も入るか

入ります。国税庁は、配偶者控除の判定に使う配偶者の所得を「年間の合計所得金額」と説明しています。給与だけの人については「その年の給与収入が136万円以下」なら対象、という書き方です。

結婚した日で収入を区切る扱いは、国税庁の説明には出てきません。 期間を区切るのは、配偶者が年の途中で亡くなった場合だけです。その場合は1月1日から亡くなった日までの所得で判定する、と国税庁のQ&Aにあります。

そのため、結婚前に会社員だった配偶者は、1月から退職までの給与がすべて判定に入ります。例として、次のような人を考えます(架空の例です)。

  • 1月から9月まで会社員として働き、月20万円の給与で合計180万円
  • 9月末に退職し、12月に入籍。10月以降の収入はゼロ

この場合、配偶者の給与収入は180万円です。2026年分の給与所得控除は年収220万円までなら74万円なので、所得は106万円になります。62万円を超えるため、配偶者控除ではなく、次に説明する配偶者特別控除の対象です。

Q3 収入が多めでも使える控除はあるか

あります。配偶者の所得が62万円を超え133万円以下なら、配偶者特別控除を受けられます。給与だけの人に置き換えると、年収136万円超から207万円以下が対象です。

控除を受ける本人の合計所得が900万円以下の場合、金額は次のとおりです。

配偶者の給与収入(給与だけの場合)配偶者の所得控除額
136万円以下62万円以下38万円(配偶者控除)
136万円超169万円以下62万円超95万円以下38万円(配偶者特別控除)
169万円超174万円以下95万円超100万円以下36万円
174万円超179万円以下100万円超105万円以下31万円
179万円超184万円以下105万円超110万円以下26万円
184万円超189万円以下110万円超115万円以下21万円
189万円超194万円以下115万円超120万円以下16万円
194万円超199万円以下120万円超125万円以下11万円
199万円超204万円以下125万円超130万円以下6万円
204万円超207万円以下130万円超133万円以下3万円

給与収入の欄は、国税庁の控除額の表を、2026年分の給与所得控除74万円(年収220万円まで)で置き換えて計算したものです。年収169万円までなら、配偶者控除と同じ38万円を受けられます。 先ほどの年収180万円の例は、所得106万円なので26万円です。

もう1つ、12月まで働き続けた人の例も見ておきます(架空の例です)。

  • 1月から11月まで月18万円の給与で、合計198万円
  • 12月に入籍し、12月から収入はゼロ

給与収入198万円から74万円を引くと、所得は124万円です。表の「120万円超125万円以下」に当たるため、控除額は11万円です。年収が5万円違うだけで控除が2万〜5万円動く区間があるので、源泉徴収票の金額で1円単位まで確かめてください。

本人の合計所得が900万円を超えると、控除額は段階的に減ります。たとえば38万円の欄は、900万円超950万円以下なら26万円、950万円超1,000万円以下なら13万円です。ほかの欄は、末尾の参考情報にある国税庁の表で確かめてください。

Q4 税金はいくら戻るのか

控除額に、本人の所得税率をかけた金額が目安です。2026年分は、所得税額の2.1%の復興特別所得税が上乗せされます。

例として、本人の課税所得が300万円の会社員を考えます。税率は10%の区分です。

  • 控除38万円の場合:38万円×10%×1.021で、所得税の合計は約3万8,800円軽くなる
  • 控除26万円の場合:26万円×10%×1.021で、約2万6,500円軽くなる

この計算は所得税だけです。住民税にも配偶者控除はありますが、この記事の試算には入れていません。

12月の入籍でも、控除額が月割りにならない以上、戻る税金も1年分です。 会社員なら、年末調整で手続きを済ませるのが一番手間がかかりません。

Q5 失業手当や出産手当金は収入に入るか

入りません。国税庁のQ&Aでは、雇用保険の失業等給付は合計所得金額に含めないとしています。健康保険の出産手当金なども同じく含めない扱いです。

結婚を機に退職し、失業手当を受けている配偶者は、手当を除いた給与だけで判定します。先ほどの例でも、10月以降に失業手当を受けていたとしても、判定に使う給与収入は180万円のままです。

一方で、健康保険の扶養に入れるかどうかは、税金とは別の基準で決まります。健康保険の扶養は、加入している健康保険の窓口に確認してください。税金の扶養に入れても、健康保険の扶養に入れるとは限りません。

Q6 給与以外の収入がある配偶者は

配偶者に給与以外の所得がある場合は、すべての所得を合計して判定します。国税庁の説明で「給与収入136万円以下」とあるのは、給与だけの人に置き換えた目安です。本来の基準は「合計所得金額62万円以下」です。

たとえば、パートの給与に加えて、個人で受けた仕事の報酬がある人は注意が必要です。報酬から経費を引いた所得が、給与所得に足されます。給与の年収が136万円以下でも、ほかの所得を足すと62万円を超えることがあります。 配偶者控除等申告書の所得の見込み欄には、給与以外の所得も含めて書きます。

Q7 年末調整に間に合わせる方法は

勤務先に「給与所得者の配偶者控除等申告書」を出せば、年末調整で控除を受けられます。国税庁によると、提出期限は「その年の最後に給与の支払を受ける日の前日まで」です。

夫婦で年末調整の書類を確認する場面

手順は次のとおりです。

  1. 配偶者の今年の給与収入を確かめる。前の勤め先の源泉徴収票があれば「支払金額」の欄を見る
  2. 源泉徴収票がまだ届いていなければ、前の勤め先に発行を依頼する
  3. 配偶者控除等申告書に、配偶者の今年の所得の見込みを書く
  4. 扶養控除等申告書の内容も変わる場合は、あわせて勤務先に伝える

入籍が12月の後半になると、会社の年末調整が先に終わっていることがあります。国税庁は、年末調整のあとでも12月31日までに扶養親族等が増えた場合、年末調整をやり直せると説明しています。申告書を出す期限は、その年分の源泉徴収票が作られて交付される日までです。

勤務先でやり直しができなかったときは、翌年に自分で確定申告をすれば、払いすぎた所得税が戻ります。確定申告が必要かどうかの見当をつけたい人は、確定申告3問診断で確かめてみてください。

Q8 夫婦でお互いに控除を受けられるか

受けられません。国税庁は、配偶者特別控除を夫婦の間でお互いに受けることはできないとしています。

共働きのまま結婚した夫婦で、どちらも年収が207万円を超えるなら、どちらの側でも配偶者控除・配偶者特別控除は使えません。給与だけの夫婦なら、片方の年収が207万円以下の場合だけ、もう片方が控除を受けられます。

税金の手続きを済ませたら、独身時代のまま残っている保険の受取人や、夫婦の家計の分け方も確かめておきたいところです。自分たちだけで決めきれない人は、無料のFP相談を使う方法もあります。

今日やること

12月に入籍する予定がある人は、年末調整の書類が配られる前に次の3つを済ませておくと慌てません。

  1. 婚姻届を出す日を決める(12月31日までなら今年分)
  2. 配偶者の今年の給与収入を、源泉徴収票や給与明細で合計する
  3. 勤務先の年末調整の締切日と、最後の給与の支給日を確かめる

配偶者控除は「12月31日に夫婦か」と「1年分の収入」の2つで決まります。 入籍の日付だけでなく、結婚前の収入も含めて計算しておけば、年末調整の書類で迷わずに済みます。

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参考情報

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。