節税・税金

控除証明書を電子で受け取る、9月からの手順

※本サイトの記事にはアフィリエイト広告(PR)を含む場合があります


※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

結論から書きます。年末調整の控除証明書を電子データで受け取り、紙をなくすことは可能です。ただし条件が3つあり、そのうち1つには10月中旬という期限があります。9月から11月の時間軸に沿って整理します。

9月:自分が「紙をなくせる側」かを3つで判定する

電子データで受け取れるかは、自分の努力だけでは決まりません。次の3つがそろって初めて成立します。

1. 勤務先が年末調整の電子化に対応しているか

日本年金機構は、給与所得者について「勤務先が年末調整の電子化に対応している場合には、年末調整においても電子データを利用することができます」と説明しています。裏を返せば、いまも紙の申告書を配っている会社なら、取り込む先がありません。総務・人事に一言聞けば分かります。

2. 契約している保険会社が対応しているか

国税庁の公表では、令和7年10月時点で生命保険会社は36社(国内41社中)、損害保険会社は14社(地震保険を扱う国内19社中)が電子控除証明書の発行に対応済みです。生命保険料控除の対象契約に係る発行対応割合は、契約件数ベースで約98.5%(令和7年10月現在)とされています。

大半の契約は「発行主体側は対応済み」です。ただし対応済みの会社でも、その会社の専用ページで電子交付の登録を別途行う必要がある場合があります。手続きは契約先ごとに違うため、確認先は保険会社になります。

3. マイナンバーカードとパスワード2種類、読み取り手段があるか

国税庁が挙げる準備物は、マイナンバーカード、利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)、署名用電子証明書のパスワード(英数字6文字から16文字)、そしてカードの読取機能があるスマートフォンかICカードリーダライタです。

ここでつまずく人が一番多いはずです。カードはあるがパスワードを覚えていない、という状態は「未対応」と同じです。規定回数を間違えるとロックがかかり、解除には手続きが要ります。11月に気づくより、9月に一度ログインを試すほうが早く済みます。

(この記事の制度・数値は2026年9月4日に国税庁・日本年金機構の各ページで確認したものです。)

9月中:準備は一度きり。ただし数日かかることがある

準備自体は一度で終わります。国税庁はマイナポータル上に「年末調整の事前準備」ページを設けており、案内に沿って進めれば完了できるとしています。

注意したいのは所要日数です。国税庁の確定申告書等作成コーナーのQ&Aには、事前準備の完了後、実際に控除証明書等のデータが取得できるようになるまで数日かかる場合がある、と書かれています。証明書が届く時期になってから動くのでは間に合わないことがある、ということです。

マイナポータル連携で自動取得できる控除証明書等は、国税庁の一覧では次のものです。

  • 生命保険料控除証明書
  • 地震保険料控除証明書
  • 社会保険料控除証明書(国民年金保険料)
  • 社会保険料控除証明書(国民年金基金掛金)
  • 小規模企業共済等掛金控除証明書(小規模企業共済掛金と個人型確定拠出年金=iDeCoの掛金に限る)
  • 年末残高等証明書(住宅ローン控除)
  • 住宅借入金等控除証明書(データでの交付を希望した人に限る/例年10月下旬頃から取得可能)

iDeCoの掛金証明書が入っている点は地味に効きます。「小規模企業共済等掛金払込証明書」も、例年よく行方不明になる書類だからです。

なお、配偶者や子どもの分もまとめて取得したい場合は、事前にマイナポータルで代理人の登録が必要で、国税庁によれば本人と家族それぞれのマイナンバーカードが要ります。「今年は自分の分だけ、家族分は来年」と割り切るのも現実的です。全部を一度にやろうとして途中で止まるほうが損をします。

10月中旬まで:国民年金を自分で払っている人だけ、明確な期限がある

国税庁は、社会保険料控除証明書(国民年金保険料)についてこう注記しています。

控除証明書データを受け取るには、発行年の10月中旬までにマイナポータルからねんきんネットを利用しておく必要があります。

厚生年金だけの会社員には関係ありません。関係あるのは、自営業・フリーランスの人、退職して国民年金に切り替えた人、学生納付特例の追納をした人、家族の国民年金保険料を代わりに払っている人です。転職の合間に数か月払った年も該当します。

手順は2段階で、マイナポータルから「ねんきんネット」の利用登録をし(マイナンバーカードと数字4桁のパスワードが必要)、ねんきんネットで「電子送付」の希望登録をします。

2つ目には見落としやすい副作用があります。日本年金機構は「電子送付を希望した場合は、郵送は停止されます」と明記しています。電子に切り替えた時点で、紙のハガキは来なくなります。勤務先が紙提出のままなら、電子データを国税庁の「QRコード付証明書等作成システム」で印刷して使えます。

間に合わなくても詰みではありません。ねんきんネットから再交付申請ができ、受け取りは申請から3営業日から5営業日後です(紙での再発行は発送まで1週間程度)。ただし令和3年分以前の電子データは確定申告では使えません。

なお2026年分(令和8年分)の送付日程は、2026年9月4日時点で日本年金機構のサイトに掲載がありません(最新は令和7年分まで)。令和7年分の実績は、電子データが10月16日から10月下旬、書面が10月24日から11月上旬にかけて順次でした。正式なお知らせは例年9月中旬頃に出ています。

時期別にやることを1枚にまとめる

時期やること間に合わなかったら
9月中パスワード2種を確認し、マイナポータルで事前準備。勤務先と保険会社の対応も確認10月以降でも可能。ただしデータ取得まで数日かかる場合がある
10月中旬まで国民年金を自分で払った人は、ねんきんネットを利用登録し電子送付を希望登録ねんきんネットで再交付申請(電子は3〜5営業日、紙は発送まで1週間程度)
10月下旬〜11月マイナポータルの「お知らせ」で受け取り、勤務先のシステムに取り込む届いた紙の証明書をそのまま提出する
11月〜12月年末調整の書類を提出する提出漏れは確定申告でも取り戻せる

取り返しがつかない締切は1つもありません。ただし、どのルートも「10月に慌てる」より「9月に一度触っておく」ほうが手数は確実に少なくなります。

10月下旬から11月:証明書が来たら、年に1回だけ保険を棚卸しする

控除証明書は、手続きの紙であると同時に、いくら保険料を払っているかが一覧になる年1回の資料でもあります。電子化するとボタン1つで取り込めるため、金額を見る機会がまるごと消えやすい、という副作用があります。

例として、30代の会社員が20代で入った医療保険と、結婚時に勧められた終身保険をそのまま持っているとします。証明書の年間保険料を合計して初めて「合わせて年18万円だった」と気づく、というのはよくある話です。生命保険料控除で戻る税金には上限があり、払った額に比例して無限に戻るわけではありません(上限は関連記事で扱っています)。

保障が今の家族構成に合っているかは、金額の合計だけでは判断できません。 必要保障額の計算や契約の重複チェックは、ひとりで完結させにくい領域です。無料の相談窓口に証明書と保険証券を持ち込み、棚卸しだけしてもらう使い方もできます。

電子化しても、年末調整だけでは終わらない人がいる

電子で取り込めても、そもそも年末調整で完結しない控除があります。医療費控除、寄附金控除(ふるさと納税で6自治体以上に寄附した場合やワンストップ特例の出し忘れ)、住宅ローン控除の1年目です。副業の所得がある人も、金額によっては確定申告が要ります。

自分がどちらかは、確定申告3問診断で当たりがつきます。年末調整の書類を出す前に確認しておくと、12月と翌年2月の作業量が変わります。

9月のうちに、この3つだけ決めておく

  1. パスワード2種類を思い出せるか、今日試す。 忘れていれば窓口手続きが要るので、最優先です。
  2. 勤務先が年末調整の電子化に対応しているか聞く。 していなければ、今年は紙のままで問題ありません。
  3. 国民年金保険料を自分で払った年かを確認する。 該当するなら、10月中旬までにねんきんネットの利用登録を済ませます。

どれも15分から30分で終わります。10月末に「証明書が見当たらない」と家中を探す時間より、ずっと安く済みます。

あわせて読みたい

参考情報

※制度の運用や送付スケジュールは変更されることがあります。最新の情報は必ず国税庁・日本年金機構および契約先の各社の公式サイトでご確認ください。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。