住宅ローン

持病があると住宅ローンは無理?よくある3つの誤解


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「持病があるから、どうせ住宅ローンは無理だろう」。健康診断で数値を指摘された、去年まで通院していた、市販薬ではなく処方薬を飲んでいる——そんな心当たりから、マイホームそのものを半分あきらめかけている人は少なくありません。

けれど、その「無理」の中身をよく見ると、事実ではない思い込みが混じっていることが多いのです。この記事では、団体信用生命保険(団信)の告知でつまずく人が抱えがちな3つの誤解を取り上げ、一つずつ事実に照らして正していきます。最後に、持病があっても現実的に取れる選択肢を整理します。

(この記事の制度・商品情報の最終確認日:2026-07-18)

前提:住宅ローンの多くは「団信」とセットになっている

本題に入る前に、なぜ持病が住宅ローンに関わってくるのかを一言だけ。

民間の金融機関の住宅ローンは、その大半が団体信用生命保険(団信)への加入を必須にしています。団信は、契約者に万一のことがあったときに、残りの住宅ローンを保険金で返済してくれる仕組みです。銀行にとっては貸したお金が焦げ付かない保険であり、家族にとっては住まいを守る保険でもあります。

この団信に入るには、保険会社の健康状態の審査を通る必要があります。だからこそ「持病があると住宅ローンが組みにくい」という話が出てくるわけです。ここまでは事実です。問題は、その先の「だから無理」という結論のほうにあります。

誤解その1:「持病があると、団信には絶対に入れない」

これがいちばん多い誤解です。実際には、団信の告知はもっと限定的な範囲しか聞いていません。

一般的な団信の告知書で問われるのは、おおむね次の3点です(保険会社により細部は異なります)。

  1. 最近3か月以内に、医師の治療・検査・投薬を受けたか
  2. 過去3年以内に、所定の病気で手術を受けた、または継続して一定期間の治療・投薬を受けたか
  3. 手や足、視力・聴力などに所定の障害があるか

ここで大事なのは、聞かれているのが「今までにかかった病気すべて」ではなく、期間と病名が限定されているという点です。たとえば5年前に治療が終わって、その後は再発も通院もない病気であれば、3年以内の項目には該当しない可能性があります。健康診断で「要経過観察」と言われただけで、治療も投薬も受けていなければ、そもそも1の投薬・治療にあたらないケースもあります。

つまり、「持病がある=全員アウト」ではなく、告知の3項目にどう当てはまるかで結果は変わります。自己判断で『どうせ無理』と決める前に、まず告知書の実際の質問に照らしてみることが第一歩です。

誤解その2:「不利になりそうな病歴は、書かなければバレない」

これは正しても正しても繰り返される、そしていちばん危険な誤解です。結論から言うと、これは絶対にやってはいけません。

告知書に、故意または重大な過失で事実と違うことを書く(あるいは書かない)ことを告知義務違反といいます。これが発覚すると、次のような事態が起こり得ます。

  • 万一のときに保険金が支払われない(=残ったローンがそのまま家族に残る)
  • 状況によっては金融機関からローンの一括返済を求められる
  • 一括で返せなければ、家を手放すしかなくなる

「2年たてば時効でバレない」という話を聞いたことがあるかもしれません。これも誤解です。生命保険には契約から一定期間が過ぎると解除できなくなる規定がありますが、違反の内容が特に重大な場合は、経過年数に関わらず保険金が支払われないことがあるとされています。つまり「黙って通す」は、最悪のタイミングで家族に返済義務を残す賭けにほかなりません。

告知は、正直に書くことが自分と家族を守る唯一の正解です。 不利に見える病歴があるなら、隠すのではなく「その状態でも組める道」を探すのが正しい向き合い方です。次の誤解が、まさにその道の話です。

誤解その3:「一般の団信で断られたら、そこで終わり」

一般の団信の審査に通らなかったとき、多くの人がそこで話が終わったと感じます。でも、実際にはまだ選択肢が残っています。代表的なのがワイド団信フラット35です。

ワイド団信は、一般の団信よりも引受の基準をゆるめた「引受基準緩和型」の団信です。過去の入院歴や持病があって一般団信を断られた人でも、加入できる可能性があります。ただし無条件ではなく、その代わりに住宅ローンの金利に年0.3%ほど上乗せされるのが一般的です(金融機関により異なります)。金利0.3%の上乗せは、たとえば借入3,500万円・35年返済なら、総返済額でおおむね100万円台後半ほど増える計算になり、決して小さくはありません。それでも「家を買えるかどうか」という土俵に戻れる意味は大きいといえます。

フラット35(住宅金融支援機構と民間金融機関が提供する固定金利ローン)は、少し毛色が違います。フラット35の団信(新機構団信)は任意加入で、健康上の理由などで団信に入らなくてもフラット35自体は利用できます。団信に入らない場合、借入金利は「団信付きの金利からマイナス0.2%」に下がります。ただしこの場合、契約者に万一のことがあっても残債は消えず、返済義務が家族に残る点は必ず理解しておく必要があります。生命保険を別途手厚くするなど、団信の代わりの備えを自分で用意する前提の選択肢です。

3つの選択肢を並べると、向き・不向きが見えてきます。

住宅ローン | 健康に不安がある場合

団信でつまずいたときの3つの選択肢

金利負担と『万一の備え』はトレードオフの関係にあります

加入しやすさ金利への影響万一のとき残債は
一般の団信 民間ローンの標準 健康告知の審査あり 上乗せなし(標準) 保険で返済される
ワイド団信 引受基準緩和型 持病があっても可能性あり 年0.3%ほど上乗せが一般的 保険で返済される
フラット35(団信なし) 団信は任意加入 健康審査なしで利用可 団信なしで金利マイナス0.2% × 家族に残る(別途備えが必要)
  • ※ワイド団信の上乗せ幅や条件は金融機関により異なります。最新の条件は各社の公式サイトでご確認ください。
  • ※フラット35で団信に入らない場合、契約者に万一のことがあっても残債は消えません。生命保険など別の備えが前提です。

資産化計画

「断られた=終わり」ではなく、「別の入り口を探す」段階に進んだだけ、と捉え直すことが大切です。 一般団信・ワイド団信・フラット35は、それぞれ金利負担と万一の備えのバランスが違うだけで、どれも正式な選択肢です。

迷ったら、専門家に「自分の場合」を当てはめてもらう

ここまで一般論を整理してきましたが、実際には「自分の病歴が告知の3項目に当てはまるのか」「上乗せ金利を払ってでもワイド団信にすべきか、それともフラット35か」といった判断は、家計や家族構成によって答えが変わります。この見極めを一人で抱えると、不安なまま先延ばしになりがちです。

そこで役立つのが、住宅ローンやライフプランに詳しいFP(ファイナンシャルプランナー)への相談です。自分の健康状態と家計を具体的に伝えたうえで、どの選択肢が現実的かを一緒に整理してもらうと、漠然とした「無理かも」が「この道なら進める」に変わりやすくなります。健康や病歴といったデリケートな事情を含めて、まず無料で相談したいという人には、次のようなサービスがあります。

相談する前に「そもそもFP相談ってどう選べばいいの?」という人は、無料FP相談の正体|30代の賢い使い方も参考にしてください。

今日からできること

  • 手元にある処方薬・通院記録・健康診断結果を見直し、「直近3か月」「過去3年」に何があったかを事実として書き出す
  • 気になる病歴があるなら、団信の告知は必ず正直に書くと心に決める(隠すのは最も高くつく選択です)
  • 一般団信で不安がある場合は、ワイド団信を扱う金融機関フラット35の両方を候補に入れて情報を集める
  • 判断に迷ったら、健康状態を含めて相談できる無料FP相談で「自分の場合」を整理してもらう

持病があること自体は、住宅ローンを最初からあきらめる理由にはなりません。あきらめる前に、正しい情報で選択肢を並べ直すこと。それが遠回りに見えて、いちばん確実な近道です。

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参考情報

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。