夏ボーナス過去最高でも、ゆとりが出ないのはなぜ?
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例として、こんな家庭を考えてみます。30代の会社員Aさん夫婦。共働きで子どもが1人、勤め先は中小企業——という架空のモデル世帯です。この夏のAさんのボーナスは約43万円。2026年夏の民間企業(従業員5人以上)の平均43万6,140円(前年比プラス2.3%、5年連続の増加。最終確認日:2026-07-09)とほぼ同じ水準です。
去年までのボーナスは「とりあえず全部貯金」。それなのに1年経つと残っていない。今年こそやり方を変えようと、夫婦で家計会議を開くところから話を始めます。
大手は初の100万円超え、でもAさんの通帳は増えていない
経団連の第1回集計では、大手企業の平均妥結額は100万8,706円と、比較可能な1981年以降で初めて100万円を超えました。一方、人材サービス会社ワークポートの調査では、**約6割が「前年から増額なし」**と回答。ボーナスが出ても生活に「あまり/まったくゆとりは生まれない」と答えた人が合わせて約半数にのぼります。
平均を押し上げているのは一部の大手企業で、中小勤めのAさん世帯では、物価高で増えた生活費にボーナスが吸い込まれる感覚のほうがリアル。ズレは気のせいではありません。ここで方針が1つ決まります。もらえた金額は変えられない。変えられるのは「どう配るか」だけ。
去年の43万円はどこに消えたのか
振り返ると、原因は3つありました。
① 「とりあえず全部貯金」で思考が止まっていた。 複数の調査で今年も使い道1位は「貯金・預金」(複数回答で約7割)。ただ、目的のないまま普通預金に置いたお金は、いつのまにか生活費に流れます。「貯めたつもり」で残らないのが一番もったいないパターンです。
② 特別支出をボーナス頼みにしていた。 車検・帰省・家電の買い替えを後回しにした結果、入金と同時に消えました。ボーナスは臨時収入ではなく、年2回の「予定された収入」。使い道を先に決めないと手応えは残りません。
③ 増えた分がそのまま支出に吸収されていた。 収入が一時的に増えると生活水準も無意識に上がる「ライフスタイル・インフレ」です。先に枠を決めないと、増えた分は増えた消費に消えます。
振り返りで夫婦が困ったのは、「今いくら貯金があり、毎月いくら使っているか」がすぐ答えられなかったこと。ここが曖昧だと「いくら守ればいいか」も決められません。そこで家計簿アプリで口座とカードを連携し、残高と支出を1画面で見えるようにしました。まず全体像を数字で把握したい方は、こちらが入り口として使いやすいです。
全部貯金をやめ、3つの箱に分けると決めた
選択肢は「今年も全額貯金」か「入った時点で振り分ける」か。全額貯金は堅実に見えて去年と同じ結果になりやすく、「使う」楽しみを0にすると家計管理自体が続きません。夫婦は後者、守る・使う・増やすの3つの箱に手取りを割合で分けるやり方を選びました。
- 守る(生活防衛・特別支出):目安5割。年内に使うお金で、元本割れのない預金に置く。生活費の半年分が貯まっていない人はまず厚く
- 使う(今の満足):目安2〜3割。「使ってよかった」と思える枠。0にすると続かない
- 増やす(将来のための投資):目安2〜3割。新NISAのつみたて枠などが候補。元本割れの可能性があるため、当面使う予定のないお金だけ
妻は「投資はこわい」と乗り気ではありませんでしたが、その感覚は正しく、投資は必須ではありません。優先順位は「守る」が最上位。生活防衛資金が半年分に届くまでは預金を優先し、余裕ができてから少額で始めれば十分です。
Aさん家の配分は、防衛資金がまだ薄いため「守る」を厚めに——守る22万円(防衛資金と車検代)・使う11万円(家族旅行と資格講座)・増やす10万円(新NISA)。振り込まれたその日に3つの口座へ動かすのがコツ。手をつける前に分けるのが、残す一番シンプルな方法です。割合はあくまで一例で、増額がなかった世帯や防衛資金が薄い世帯は「守る」7割・「使う」3割にして「増やす」を次回に回す判断も十分ありです。
1年後の試算:同じ43万円でも手応えが変わる
この配分なら、防衛資金は着実に積み上がり、特別支出にボーナスが「消える」感覚はなくなります。「増やす」の積立額と将来の見込みは、新NISA積立シミュレーターで試算できます。
統計上は過去最高の夏ボーナスでも、ゆとりの実感が薄いからこそ、金額ではなく配分で差をつけるのが現実的です。最初の一歩は、家計の全体像を数字で見えるようにするところからです。
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参考情報
- 日本経済新聞「大手企業の夏ボーナス、経団連1次集計で初の100万円大台突破」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA025OD0S6A700C2000000/
- 株式会社ワークポート プレスリリース「2026年夏のボーナス調査」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000298.000039106.html
- All About「2026年夏ボーナスの使い道ランキング」 https://allabout.co.jp/gm/gc/520138/
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。Aさん一家は説明のための架空のモデルです。投資判断はご自身の責任でお願いします。最新の制度・数値は公式サイトでご確認ください。