投資・NISA

新NISAの分配金、受取型で損する人の勘違い

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新NISAで投資信託を積み立てている人から、こんな声をよく聞きます。「分配金って、受け取ったほうがトクな気がして受取型にした」。気持ちはよく分かります。お金が振り込まれると、投資が実を結んだように感じられて安心しますよね。

でも、新NISAの分配金まわりには**「よかれと思った選択」が、実は非課税のメリットを削っているケース**がいくつかあります。しかも見た目にはほとんど気づけません。今日は、分配金で勘違いされやすい3つのポイントを、公式情報で確認できる事実だけに絞って整理します。細かい制度の話ではなく、「どこで損が生まれるのか」に一点集中でいきます。

勘違い①:受取型のほうがトク——実は複利が止まる

まず、投資信託の分配金の受け取り方には「受取型」と「再投資型」の2種類があります。受取型は分配金が現金で口座に振り込まれ、再投資型は分配金がそのまま同じ投資信託の買い増しに回ります(出典:セゾンカード「新NISAの投資信託の分配金とは?」)。

ここで多くの人が「受け取れるなら受取型が得」と考えます。ですが、資産を増やす目的で長く積み立てるなら、この判断はたいてい逆です。

理由は複利です。再投資型なら、分配金が新たな買い増しに回り、その分がまた値上がり・分配の元手になります。雪だるまが大きくなるほど転がすたびに増える量が増えるのと同じで、時間を味方につけるほど差が開きます。受取型は分配金をそのつど外に出してしまうので、この雪だるまが大きくなりません。

受け取った現金を使ってしまえば、そのお金はもう働いてくれません。 これから20年、30年と運用する現役世代なら、原則は再投資型。受取型が向くのは、すでに現金収入がなく、分配金を生活費やローン返済に充てたい人などに限られます(出典:東京海上「マネコミ!」再投資型と受取型の解説)。

ここまでは「よく聞く話」かもしれません。本当に見落とされているのは、次の②です。

勘違い②:再投資型なら枠を使わない——再投資も「今年の枠」を食う

再投資型を選んだ人が見落としがちなのが、その再投資もNISAの年間投資枠を消費するという点です。

新NISAの年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円、合わせて年360万円です。この枠は使わなくても翌年に繰り越せず、毎年リセットされます(出典:楽天証券「新NISAの上限額・限度額は?」)。

分配金の再投資は「おまけ」ではなく、あくまで新規の買い付けとして扱われます。つまり、分配金が再投資されると、その金額分だけ今年の非課税枠が減っていくのです。ここまでは大きな問題ではありません。問題は、枠を使い切りそうな人に起こります。

具体例で考えます(架空のモデルです)。

  • ある人が、つみたて投資枠120万円を毎月10万円の積立でちょうど使い切る設定にしている
  • その年の途中で、保有する投資信託から分配金が出て、自動で再投資された
  • すると、積立分+再投資分で年120万円の枠を超えてしまう

このとき何が起きるかは金融機関によって扱いが分かれます。再投資分が成長投資枠に回る会社もあれば、枠を超えた分の再投資が止まる(=課税口座に回る、あるいは買い付けされない)会社もあります。運用は各社で異なるため、一律の正解はありません(出典:東京海上「マネコミ!」)。

「再投資型にしておけば全部おまかせで非課税」ではない——ここが盲点です。枠をぴったり使い切る計画の人ほど、分配金の再投資で枠があふれて、想定と違う動きになりやすいのです。

対策はシンプルで、次の2つのどちらかです。

  1. そもそも分配金をあまり出さない投資信託を選ぶ(全世界株式や米国株式のインデックスファンドには、分配金を出さず内部で再投資するタイプが多い)
  2. 枠を使い切る設計にするなら、再投資分が入る余地を残して積立額を組む

自分の積立が枠に対してどのくらい余裕があるかは、口座にログインして年間の枠の使用状況を見れば確認できます。「枠をきっちり埋める」ことより、「非課税でちゃんと再投資が続く」ことのほうが、増やす目的では優先されます。

勘違い③:NISA口座なら株の配当も自動で非課税——登録しないと課税されることがある

これは投資信託ではなく、個別株やETFを新NISAで持っている人向けの注意点です。

「NISA口座で買った株なんだから、配当金も当然に非課税でしょう」と思いがちですが、上場株式の配当金を非課税で受け取るには、受け取り方式を『株式数比例配分方式』にしておく必要があります出典:楽天証券「新NISAの上限額・限度額は?」、および金融庁 NISA特設サイト)。

株式数比例配分方式とは、配当金を証券口座で受け取る方式のことです。これ以外の方式——たとえば配当金を銀行口座で受け取る「登録配当金受領口座方式」や、郵便局などで受け取る「配当金領収証方式」——を選んでいると、NISA口座で持っている株でも配当金が課税されてしまうことがあります。

やっかいなのは、この設定が自分では気づきにくいことです。口座を開いたときの初期設定のまま、株を買ってから配当が出て初めて「あれ、税金が引かれている」と気づく、というパターンが起こります。

対策は一度きりで済みます。

  • 証券会社のサイトで、配当金の受け取り方式が**「株式数比例配分方式」になっているかを確認**する
  • なっていなければ変更する(多くの証券会社でオンラインで完結します)

投資信託しか持っていない人には関係のない話ですが、これから個別株やETFをNISAで買おうと考えているなら、買う前にこの設定だけ先に済ませておくと、初回の配当から取りこぼしません。

新NISAでこうした口座設定や分配金の扱いを一通り確認したい方は、まず自分の使っている証券口座の画面で確認するのが確実です。これから口座を開く方や、ネット証券をもう一つ持っておきたい方は、新NISAに対応した楽天証券・SBI証券あたりが定番です。毎日使う「お金の置き場所」だから、設定画面が分かりやすいところを選びたい、という人は次のような口座開設ページから確認できます。

今日、5分でできる確認

制度の理屈は分からなくても、手を動かす確認はすぐできます。今日のうちに、次の3つだけ見てみてください。

  1. 積立している投資信託が「再投資型」になっているか(増やす目的なら原則こちら)
  2. 年間の非課税枠にどのくらい余裕があるか——枠をぴったり使い切る設定なら、分配金の再投資で超える可能性がないか確認
  3. 配当の受け取り方式が「株式数比例配分方式」になっているか(個別株・ETFを持つ/これから買うなら必須)

どれも一度設定すれば、あとは基本的にそのまま走ります。「なんとなく受取型」「なんとなく初期設定のまま」を、今日いちど自分の意思で選び直す。それだけで、数年後のリターンと税金の取りこぼしが変わってきます。

なお、投資は元本割れの可能性があります。ここで紹介したのは非課税の仕組みを取りこぼさないための確認であって、値上がりを保証するものではありません。制度の細かい適用は金融機関や個別の状況で変わるので、最終的な数値や自分の口座の設定は、各証券会社の公式ページやサポートで確認してください(最終確認日:2026-08-15)。

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参考情報

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。