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投資・NISA

iDeCoとNISAどっちが先?税率×状況別の優先順位マトリックス

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「iDeCoとNISA、結局どっちを先に始めればいいの?」

この質問への答えは、実は人によって違います。ネットでよく見る「iDeCoが先」という答えは、所得税を十分に払っている会社員にとっては正解ですが、専業主婦(夫)の方や、住宅ローン控除で所得税がほぼゼロになっている方には当てはまりません。

この記事では、「あなたの税率」と「あなたの状況」の2つの軸で、iDeCoとNISAの優先順位を判定できるようにしました。制度そのものの説明は最小限にしていますので、NISA・iDeCoの制度改正の中身を知りたい方は、先にこちらをどうぞ。


先に結論:優先順位の判定マトリックス

あなたの状況優先順位理由
会社員(企業年金なし)・課税所得195万円超iDeCo → NISA所得控除の節税が年5万円超になることも
会社員・課税所得195万円以下ほぼ互角(NISA先でも可)節税率15%と低めで、資金拘束のデメリットが相対的に大きい
企業型DCに加入している会社員会社の制度を確認 → NISA併走マッチング拠出とiDeCoは選択制。上限も小さい
専業主婦(夫)NISA → iDeCo所得税を払っていなければ所得控除メリットがほぼない
フリーランスiDeCo(または小規模企業共済)→ NISA上限月6.8万円と大きく節税効果大。ただし資金拘束に注意
住宅ローン控除で所得税がほぼゼロNISA → iDeCoiDeCoの所得控除で引ける税金が残っていない可能性

以下で、この表の根拠を順番に説明します。


軸1:あなたの税率でiDeCoの節税効果はこれだけ変わる

iDeCoの掛金は全額が所得控除になります。つまり**「掛金 × あなたの税率」の分だけ税金が安くなる**仕組みです。税率が高い人ほど得をする、ここがNISAとの一番の違いです。

所得税の税率は課税所得(年収から各種控除を引いた後の金額)で決まります。住民税は一律10%です。

節税額の早見表(掛金 月2.3万円=年27.6万円の場合)

企業年金のない会社員の現在の上限、月2.3万円を拠出した場合の1年間の節税額です。

課税所得所得税率+住民税率年間の節税額(目安)
195万円以下5%+10%=15%約41,400円
195万円超〜330万円以下10%+10%=20%約55,200円
330万円超〜695万円以下20%+10%=30%約82,800円
695万円超〜900万円以下23%+10%=33%約91,080円

※計算の前提:年27.6万円 ×(所得税率+住民税率10%)。復興特別所得税は省略し、掛金を引いた後も同じ税率区分に収まると仮定した概算です。実際の節税額は個人の状況で変わります。

同じ表を「月1万円」で見ると

課税所得年間の節税額(目安)
195万円以下約18,000円
195万円超〜330万円以下約24,000円
330万円超〜695万円以下約36,000円

ポイントは2つです。

  1. 課税所得330万円を超えている人は、iDeCoを使わないのは明確にもったいない。月2.3万円で年8万円超の節税は、確実性の高いリターンです
  2. 課税所得195万円以下の人は節税率15%。それでも悪くはありませんが、「60歳まで引き出せない」デメリットと天秤にかけると、流動性のあるNISA先行も十分合理的です

なお、目安として課税所得330万円は、独身の会社員なら年収およそ600万円前後に相当します(控除の内容によって大きく変わるため、源泉徴収票の「課税所得」で確認するのが確実です)。


軸2:状況別の判定(4つのケース)

税率だけでは決められないケースを4つ見ていきます。

ケース1:会社に企業型DCがある

企業型DC(企業型確定拠出年金)に加入している会社員は、iDeCoの上限が月2万円に下がるうえ、会社の掛金との合算で調整されます。さらに、会社が「マッチング拠出」を導入している場合、マッチング拠出とiDeCoはどちらか一方しか選べません

会社掛金が少ないならマッチング拠出(手数料が自分持ちにならない)、という判断もあり得ます。詳しくは別記事で比較しています。

企業型DCのマッチング拠出とiDeCo、どっちを選ぶ?

ケース2:専業主婦(夫)

専業主婦(夫)の方もiDeCoに月2.3万円まで加入できますが、そもそも所得税・住民税を払っていなければ、所得控除で安くなる税金がありません。iDeCo最大の武器が使えない状態です。

運用益非課税のメリットは残りますが、それならNISAでも同じで、NISAはいつでも引き出せます。専業主婦(夫)はNISA優先が基本です。

ケース3:フリーランス(国民年金第1号)

フリーランスはiDeCoの上限が月6.8万円(国民年金基金等との合算)と大きく、会社員より節税インパクトが出せます。課税所得330万円超の年に月5万円拠出すれば、年60万円 × 30% = 約18万円の節税になる計算です(前提は先ほどと同じ概算)。

ただし収入が不安定な仕事で60歳まで引き出せないお金を増やすのはリスクでもあります。掛金は月5,000円から設定でき、年1回変更できるので、「好調な年は増やし、不調な年は最低額に落とす」運用が現実的です。

ケース4:住宅ローン控除を受けている

ここは見落としが多い注意点です。住宅ローン控除は税額そのものを直接引く「税額控除」で、すでに所得税がほぼゼロまで引かれている人は、iDeCoで所得控除を積んでも所得税側では引く税金が残っていません

住民税分(10%)の節税は残るものの、効果は通常の半分以下になり得ます。住宅ローン控除の残り期間が長い方は、その間はNISAを優先し、控除が終わってからiDeCoを増額する順番が候補になります。


月々の配分はどうする?具体例3パターン

前提:いずれも「生活費6ヶ月分の生活防衛資金は確保済み」の会社員のケースです。金額はあくまで一例で、正解は人それぞれです。

パターンA:手取り25万円・積立3万円(課税所得250万円くらい)

  • iDeCo 月1万円(年約2.4万円の節税)
  • NISAつみたて投資枠 月2万円
  • 考え方:節税は取りつつ、いつでも引き出せるNISAを厚めに

パターンB:手取り35万円・積立5万円(課税所得400万円くらい)

  • iDeCo 月2.3万円・上限まで(年約8.3万円の節税)
  • NISAつみたて投資枠 月2.7万円
  • 考え方:税率30%ゾーンなのでiDeCoを最優先で使い切る

パターンC:手取り25万円・積立3万円・住宅ローン控除中

  • NISAつみたて投資枠 月3万円
  • iDeCoは住宅ローン控除の終了後に開始(または月5,000円だけ)
  • 考え方:所得控除メリットが薄い期間は流動性を優先

積立額ごとの将来資産は、シミュレーターで確認できます。

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iDeCoを始めるなら、口座管理手数料が低く商品ラインナップが充実したネット証券が有力です。

「自分の課税所得だとどうなる?」を専門家と一緒に整理したい方は、無料のFP相談も選択肢です。


よくある質問

Q1. iDeCoとNISAは両方同時にできますか?

できます。制度が別なので併用可能です。この記事の優先順位は「限られた積立額をどちらに厚く配分するか」の話で、余裕があれば両方使うのが理想です。

Q2. 2026年12月のiDeCo改正(上限引き上げ)を待ってから始めるべき?

待つ必要はありません。改正で変わるのは上限額(企業年金なしの会社員で月2.3万円→月6.2万円、2027年1月引き落とし分から適用予定)で、今の枠で始めておけば改正後に増額するだけです。先に始めた分だけ節税と運用期間が積み上がります。

Q3. iDeCoの掛金は途中で変えられますか?

変えられます。月5,000円以上1,000円単位で、年1回まで変更可能です。家計が苦しい時期は掛金の拠出を止める(運用だけ続ける)こともできます。

Q4. 課税所得はどこで確認できますか?

会社員なら源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額です。フリーランスなら確定申告書の「課税される所得金額」の欄です。


まとめ

  • iDeCo優先かNISA優先かは「税率」と「状況」で決まる。万人共通の正解はない
  • 課税所得330万円超の会社員は、iDeCo月2.3万円で年約8.3万円の節税。iDeCo優先が合理的
  • 専業主婦(夫)・住宅ローン控除で所得税ほぼゼロの人は、所得控除メリットが薄いのでNISA優先
  • 企業型DCがある人は、マッチング拠出との選択制なので先に会社の制度確認を

まずは源泉徴収票で自分の課税所得を確かめて、上のマトリックスに当てはめるところから始めてみてください。


参考情報(最終確認日:2026-07-03)


※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘ではありません。税額はすべて前提を単純化した概算であり、実際の金額は個人の状況により異なります。投資判断はご自身の責任でお願いします。元本割れのリスクがあります。